どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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ざああ。ざああ。
金色の草原が辺り一面を覆う。
九尾――。
小さな少年が駆けてゆく。金色の――髪の。
高い草の中を金色の姿が上下に動き、ざっざと草の鳴る音が風に掻き消される。
呼びかけようにも声が出ぬ。止めようにも牙が、爪も、動かぬ。
少年が振り返った。
金色の中、ひかるあおいひとみに、自分の姿が映った。
にい、と口角が上がり、細く白い腕がゆらりと挙げられた。
九尾ー!
鬼ごっこ、だってばよ!
ナルトは駆け出した。
全てが、金色だった。
(ぐるぐるぐるぐるぐる)
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泣くなよ。
怒んなよ。
笑うなよ。
ときどき物凄く、痛ましく、苦しい。つらい。
全部さびしいから。お前は太陽なのに、冷たい風に、なるのが。
あったかくてむしろすごく熱いから、ほんの少しの冷たさが、映える。決して相容れないのにお前は両方だから、可笑しい。
太陽なんだろ?北風じゃ、ないんだろ?
お前の目指してたものは。
(むかしむかしあるところに、旅人と、太陽と、北風が)
パラレル注意…というか自分設定注意
今時どの程度の漫画家が紙と筆だけで勝負しているのか、シュージンは知らない。パソコンの普及率は高く、絵描きもインクの出よりペンタブの具合に悲鳴を上げるご時世だ。デジタル化の波はすぐそこまで迫っているように思える。
なぜ彼がそんなことを思ったかと言えば、場の異様なまでの静けさの中でペンが紙を擦る音だけが響いているからだった。昔より耳にこびりつくように感じるのは、それが二人分であるからに、他ならない。
シュージンは原稿に励む若手漫画家二人を眺め、茶を啜った。
宿敵(?)新妻エイジとなぜ一緒に原稿をやっているかと言うと、彼の仕事場が編集部に近く、尚且つエイジが互いに切磋琢磨がどうとか似合わないことを言い出したからだった。
提案を受けた時皆一様に驚いていたし、サイコーだってまるい眼を見開いた。あ、やべ、何かカワイイ。とシュージンは思いながら、サイコーがそんな誘いに乗る筈ないと確信していた。
だから驚いて声も出なかった。
「うん」
サイコーはこくんと頷き、あのにっくき新妻エイジから差し出された手を握って、あまつさえ笑顔まで向けたのだ。シュージンは石化して数分動けなくなった。その間にも目の前でいつから一緒に原稿するか、またどのような段階まで見せ合うか(漫画の作成過程についてだとシュージンはわかっていたが、やらしい発言にしか聞こえなかった)などてきぱき会話され、回復するタイミングを完全に失った。
その時のシュージンの落ち込み様というか怒り様というか荒れ様は、彼等の担当服部氏に言わせれば「新世界の神のようだ」った。会話にヒット漫画を用いるのは商売根性からか知らないが、いい迷惑である。
もちろんサイコーの叔父の仕事場とて大切だから、週の半分はそっちで、もう半分がエイジ宅でということになっている。が、最近建前じみてきていた。サイコーは同じ漫画家仲間の技を間近で見られるのが余程嬉しいのか(シュージンはここでようやく、自分が思っていたよりずっと、画力がサイコーの負担になっていたことを知った)、叔父の仕事場の日にもエイジの所へ行ってみようなんてカワイくないことを言って下さる。せっかくの二人の城が。
シュージンはリビングのイスに腰掛け二人を見やった。サイコーとエイジのデスクは隣りにあるのではなく、仕事場に入って正面壁際にエイジが、向かって左にサイコーがいる。シュージンからはサイコーの横顔とエイジの背中が見える。
互いにどんな風に書いているかは勝手に見てよい。但し、質問は話しかけられた方が拒否できる。話しかけて返事がなければ勿論ご法度という意味だ。
今はネームと下書きが終わって所謂ペン入れの最中。ベタやトーンならシュージンにも手伝いようがあるのだが、ペン入ればかりはサイコーの邪魔は出来ない。かと言ってエイジに話しかけても――彼は質問を拒否することは一切なかった――有用な情報はさして手に入らなかった。
仕方ないのでこういう時のシュージンは、担当の服部と打ち合わせをするか次の回のネームを考えるか別の話を考えながら家事をするか、あとは二人の召使い状態となる。もっともお茶汲みくらいだが。
足をぶらぶらさせていると、見吉にでも連絡してみようかなんて気持ちすら起こってくる。でもしたら絶対笑われるのでしないが。サイコーくん捕られて悔しいんだ、なんて、あの女も大概――よくわかっていらっしゃると思う。
原作者ってこんな気分なのか、でも自分の場合サイコーとの共同みたいなもんだから違うのか?などと考えぼんやりしていると、視界の隅に動きあり。
ゆるく挙げられた片手が、何とはなしにムカつく。
「サイコー君」
「なに」
短く早い返事はサイコーらしい。
って、そうではなくて。
「お茶お願いしまーす」
サイコーが立ち上がったのとシュージンが立ち上がったのはほぼ同時だった。当たり前だ、サイコーが立ち上がるのを見て立ち上がったのだから。
サイコーはシュージンを見てきょとんとすると、シュージンが手で制すのにも関わらずリビングへやって来た。延長線上にあるダイニングへ行く気なのは明白である。
「いーよ、サイコー。俺がやるから」
「別に気分転換だから気にすんなって。約束だし」
サイコーに苦笑されてシュージンは口を噤む。
エイジとの取り決めの中にもう一つ、人気投票で勝った方が負けた方に一つだけ一週間期限の命令ができる、というものがあった。発案はモチベーションを上げようと言ったシュージンなのでもはや何も言えない。
予想通りエイジが勝つことが圧倒的に多いのでこちらとしても言うことをきかねばなかなかったが、今回の「一週間サイコー君がお茶汲み」などやたらサイコーばかり名指ししてくるエイジにそろそろシュージンも我慢の限界だった。
じゃあ俺にも命令してみろよと意気込んでみたらあっさり「一週間シュージン君が買い出し係」というあってもなくてもいいような係を押しつけられ追い出された。エイジの担当に無理を言って二人きりにしないように取り計らってもらったが、これは本格的に敵認定した方がいいかもしれない。
しかし一番の問題はサイコーである。この愛しい漫画バカは、漫画さえ描ければ物事に頓着しないのだから。
「だってペン入れまだ途中だろ?新妻だってそこまで鬼じゃないだろうよ。なあ?」
言葉の端々にトゲトゲした音が入るのは勿論エイジにもわかっていただろうが、彼は片手をひょいっと挙げて意志表示した。
「サイコー君の係ですケド」
じゃあいいのか悪いのかどっちか言えよ!とシュージンは言いかけたが、サイコーが笑っているので毒気を抜かれてしまった。
「だってさ。ほらどいたどいたー」
「ちょっ…!サイコー!」
ダイニングに行ってしまったサイコーは仕方ないのであきらめて、シュージンはつかつかと仕事場に入り込んだ。
エイジは彼にしては珍しくゆっくりペン入れをこなしていた。いつものあの勢いがない。妙だな、と思った瞬間、彼はくるりと振り向いた。無論、ペンは離さぬままで。
「どうかしました?」
「俺のが暇なのに、何でサイコーにさせるんだよ」
単刀直入な物言いにエイジはさも当然といった風に頷いた。
「理由なら色々あります」
「何だよ」
「次の“勝負”で勝ったら教えたりして」
「~~~っ!お前なっ!」
エイジはイスの上で体育座りをした。イスが少し揺れる。キャスター付きだからだ。前はキャスター付きでないのに座っていた。座ったままサイコーの所へ行けるので便利らしい。なんと。
シュージンが怒りの言葉を口に出そうとした瞬間、何話してんのーという間延びした柔らかな声が場に広がる。
振り向くとサイコーが三人分の茶を盆に乗せてやって来た。
「はいシュージン」
「あ、うん」
「はいエイジ」
「どーも」
「はい俺の、と」
いちいち口に出して言うのも可愛いとか思いつつ、茶を啜る。
「うまい」
「おいしー」
素直な感想×2に、サイコーはきょとんと目をまるくしてから嬉しそうに笑った。
「さんきゅ」
「最近新妻のヤツ、あのうるさいオーディオ止めてくれたんだよな!いやー亜城木組には感謝感謝!」
服部はそんな台詞を聞いて、ひとりごちた。
「別の騒音は巻き起こってそうだけどな…」
終
ざんぷが手元に無いから話し方がいい加減だよ!!!←
今時どの程度の漫画家が紙と筆だけで勝負しているのか、シュージンは知らない。パソコンの普及率は高く、絵描きもインクの出よりペンタブの具合に悲鳴を上げるご時世だ。デジタル化の波はすぐそこまで迫っているように思える。
なぜ彼がそんなことを思ったかと言えば、場の異様なまでの静けさの中でペンが紙を擦る音だけが響いているからだった。昔より耳にこびりつくように感じるのは、それが二人分であるからに、他ならない。
シュージンは原稿に励む若手漫画家二人を眺め、茶を啜った。
宿敵(?)新妻エイジとなぜ一緒に原稿をやっているかと言うと、彼の仕事場が編集部に近く、尚且つエイジが互いに切磋琢磨がどうとか似合わないことを言い出したからだった。
提案を受けた時皆一様に驚いていたし、サイコーだってまるい眼を見開いた。あ、やべ、何かカワイイ。とシュージンは思いながら、サイコーがそんな誘いに乗る筈ないと確信していた。
だから驚いて声も出なかった。
「うん」
サイコーはこくんと頷き、あのにっくき新妻エイジから差し出された手を握って、あまつさえ笑顔まで向けたのだ。シュージンは石化して数分動けなくなった。その間にも目の前でいつから一緒に原稿するか、またどのような段階まで見せ合うか(漫画の作成過程についてだとシュージンはわかっていたが、やらしい発言にしか聞こえなかった)などてきぱき会話され、回復するタイミングを完全に失った。
その時のシュージンの落ち込み様というか怒り様というか荒れ様は、彼等の担当服部氏に言わせれば「新世界の神のようだ」った。会話にヒット漫画を用いるのは商売根性からか知らないが、いい迷惑である。
もちろんサイコーの叔父の仕事場とて大切だから、週の半分はそっちで、もう半分がエイジ宅でということになっている。が、最近建前じみてきていた。サイコーは同じ漫画家仲間の技を間近で見られるのが余程嬉しいのか(シュージンはここでようやく、自分が思っていたよりずっと、画力がサイコーの負担になっていたことを知った)、叔父の仕事場の日にもエイジの所へ行ってみようなんてカワイくないことを言って下さる。せっかくの二人の城が。
シュージンはリビングのイスに腰掛け二人を見やった。サイコーとエイジのデスクは隣りにあるのではなく、仕事場に入って正面壁際にエイジが、向かって左にサイコーがいる。シュージンからはサイコーの横顔とエイジの背中が見える。
互いにどんな風に書いているかは勝手に見てよい。但し、質問は話しかけられた方が拒否できる。話しかけて返事がなければ勿論ご法度という意味だ。
今はネームと下書きが終わって所謂ペン入れの最中。ベタやトーンならシュージンにも手伝いようがあるのだが、ペン入ればかりはサイコーの邪魔は出来ない。かと言ってエイジに話しかけても――彼は質問を拒否することは一切なかった――有用な情報はさして手に入らなかった。
仕方ないのでこういう時のシュージンは、担当の服部と打ち合わせをするか次の回のネームを考えるか別の話を考えながら家事をするか、あとは二人の召使い状態となる。もっともお茶汲みくらいだが。
足をぶらぶらさせていると、見吉にでも連絡してみようかなんて気持ちすら起こってくる。でもしたら絶対笑われるのでしないが。サイコーくん捕られて悔しいんだ、なんて、あの女も大概――よくわかっていらっしゃると思う。
原作者ってこんな気分なのか、でも自分の場合サイコーとの共同みたいなもんだから違うのか?などと考えぼんやりしていると、視界の隅に動きあり。
ゆるく挙げられた片手が、何とはなしにムカつく。
「サイコー君」
「なに」
短く早い返事はサイコーらしい。
って、そうではなくて。
「お茶お願いしまーす」
サイコーが立ち上がったのとシュージンが立ち上がったのはほぼ同時だった。当たり前だ、サイコーが立ち上がるのを見て立ち上がったのだから。
サイコーはシュージンを見てきょとんとすると、シュージンが手で制すのにも関わらずリビングへやって来た。延長線上にあるダイニングへ行く気なのは明白である。
「いーよ、サイコー。俺がやるから」
「別に気分転換だから気にすんなって。約束だし」
サイコーに苦笑されてシュージンは口を噤む。
エイジとの取り決めの中にもう一つ、人気投票で勝った方が負けた方に一つだけ一週間期限の命令ができる、というものがあった。発案はモチベーションを上げようと言ったシュージンなのでもはや何も言えない。
予想通りエイジが勝つことが圧倒的に多いのでこちらとしても言うことをきかねばなかなかったが、今回の「一週間サイコー君がお茶汲み」などやたらサイコーばかり名指ししてくるエイジにそろそろシュージンも我慢の限界だった。
じゃあ俺にも命令してみろよと意気込んでみたらあっさり「一週間シュージン君が買い出し係」というあってもなくてもいいような係を押しつけられ追い出された。エイジの担当に無理を言って二人きりにしないように取り計らってもらったが、これは本格的に敵認定した方がいいかもしれない。
しかし一番の問題はサイコーである。この愛しい漫画バカは、漫画さえ描ければ物事に頓着しないのだから。
「だってペン入れまだ途中だろ?新妻だってそこまで鬼じゃないだろうよ。なあ?」
言葉の端々にトゲトゲした音が入るのは勿論エイジにもわかっていただろうが、彼は片手をひょいっと挙げて意志表示した。
「サイコー君の係ですケド」
じゃあいいのか悪いのかどっちか言えよ!とシュージンは言いかけたが、サイコーが笑っているので毒気を抜かれてしまった。
「だってさ。ほらどいたどいたー」
「ちょっ…!サイコー!」
ダイニングに行ってしまったサイコーは仕方ないのであきらめて、シュージンはつかつかと仕事場に入り込んだ。
エイジは彼にしては珍しくゆっくりペン入れをこなしていた。いつものあの勢いがない。妙だな、と思った瞬間、彼はくるりと振り向いた。無論、ペンは離さぬままで。
「どうかしました?」
「俺のが暇なのに、何でサイコーにさせるんだよ」
単刀直入な物言いにエイジはさも当然といった風に頷いた。
「理由なら色々あります」
「何だよ」
「次の“勝負”で勝ったら教えたりして」
「~~~っ!お前なっ!」
エイジはイスの上で体育座りをした。イスが少し揺れる。キャスター付きだからだ。前はキャスター付きでないのに座っていた。座ったままサイコーの所へ行けるので便利らしい。なんと。
シュージンが怒りの言葉を口に出そうとした瞬間、何話してんのーという間延びした柔らかな声が場に広がる。
振り向くとサイコーが三人分の茶を盆に乗せてやって来た。
「はいシュージン」
「あ、うん」
「はいエイジ」
「どーも」
「はい俺の、と」
いちいち口に出して言うのも可愛いとか思いつつ、茶を啜る。
「うまい」
「おいしー」
素直な感想×2に、サイコーはきょとんと目をまるくしてから嬉しそうに笑った。
「さんきゅ」
「最近新妻のヤツ、あのうるさいオーディオ止めてくれたんだよな!いやー亜城木組には感謝感謝!」
服部はそんな台詞を聞いて、ひとりごちた。
「別の騒音は巻き起こってそうだけどな…」
終
ざんぷが手元に無いから話し方がいい加減だよ!!!←
「おれの勝ち、だってばよ」
ナルトがとても嬉しそうに笑って、目を閉じた。
サスケはそれを見下ろし、苦笑する。
そう、自分は負けたのだ。最強最悪、最初で最高で最愛な、この少年に。
自分の過ごした二年半と少しは無駄だったのだと。ひいては復讐を始めた頃からの全てが意味のないものであったと思い知らされた。(もちろん、ナルト達との思い出は、差し引いて。)
負けた。力も、思いも。完全な敗北だというのに、どうしてこんなに清々しいのだろう。気持ちいいのだろう。幸せ、なんだろう?
「ナルト」
呼ぶと、抱き付いてきていた少年はサスケを見上げた。まだかろうじてサスケの方が背が高い。
サスケはそっと、とてもとても久しぶりに、キスをした。碧い瞳が見開かれ、ぼろっと涙が落ちる。
「ナルト。ありがとう」
大声を上げて泣くナルトを抱きしめて、サスケも少し泣く。
こんなに気分のいい負けは、勝利だって敵わない。
08,08,15
(お題は「てぃんがあら」様)
パーフェクト・ビクトリーを君と俺に!
*
意味のない時間だとは思っていませんが、この瞬間だけはサスケもそう思うのかもしれない。
これもひとつの最終回。ということで、ひとつ。
何かが爆発したのかと思ったほど、扉が閉まる音は大きかった。
慌てて鈴が振り向くと、源矢からの言付けをジムの皆に伝えに各部屋へ行ったはずの閃の姿。鈴は驚き口を開いて――目を見張った。閃は肩で息をし、額から汗が噴き出している。トレーニングの時と変わらないと言えば変わらないが、問題はその焦点の合っていない目と、真っ赤な顔。
何拍も遅れて鈴はようやく声を出した。
「何…で、戻ってきたの…?」
「!」
瞬間更に燃え上がるように赤くなった閃は、鈴と顔を合せられないのか踵を返し扉を開けて逃げていってしまった。
(何があったか…は、なんていうか……想像つくんだけど)
ジムの皆が閃のことをちょっと特別な方面から気に入っているのは重々承知している。告白事故(?)でも起こったんだろう。
(で、でも、誰?和真?孝紀?羊介…は違うか、いい人ポジだし。龍生さん…?ま、まさか久太!)
「おじいちゃん以外の誰か…よね」
女である久恵や自分はすっかり蚊帳の外に追い出して、鈴は唸った。
08,08,15
(お題は「てぃんがあら」様)
!!!???…?
*
これもタイで書いたやつ(何やってんの)。
鈴視点の話多いなー。