どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
白石さんへ降沢。
アップローダーとFFFTPがツンバカさんになってしまったのでこっちにアップ。
明日には直ってるかもしれないのですが悔しいので。
左肩鎖骨付近にて
鏡の前で栄純は愕然とした。
今までもこういうことが無かった訳ではない。ただ、数は一つきりだったし、意識がある内の仕業だったので問題は生じるものの心の準備というものがあった。もの凄く怒れば奴はそれなりに反省もしたし、一つなら絆創膏が大活躍で一件落着であるからして。
しかし今日――いや、日付としては今日だが昨夜に近いかもしれない――に栄純の左肩鎖骨付近に付けられたそれは、点在している。無論一つではない。
「降谷のヤロー…!」
栄純は悔しくて恥ずかしくて唇を噛んだ。
もうすぐ朝練が始まり、そうなれば着替えることだってあるだろう。一つなら絆創膏でカバー出来るがこう沢山付いていては何事かと心配され、勘の良い先輩達にバレてしまうかもしれない。
栄純はユニフォームに袖を通した。アンダーを着ればギリギリで隠れてはいるが、何が起こるかわからない。
アンダーを引っ張ってそっと赤い痕をなぞると、夜のことがぶわりと覆い被さってきて、栄純は悪寒とも熱ともつかない感覚を思い出してしまった。慌てて首を振る。
キスマークが消えるのには数日かかる。栄純は覚悟を決めてきびすを返した。
気にしないようにしながらも、いちいち気にしなくてはならない。即ち、怪しまれるほど気にしてはいけないが、気にしていないと危ない。
当の降谷は睨み付けてもどこ吹く風の上、文句を言いたくても二人きりになれず不可能だ。
「うひゃあっ」
「…大丈夫か?沢村」
クリスに手を取られただけで声が上擦ってしまい心配され、
「ヒャハハ、タメ口禁…」
「はなっ、放して下さいいい!」
「お、おう…?」
倉持に技をかけられそうになり全力プラス涙目になってきょとんとしながら解放され、
遂には、
「やだあっ…!」
御幸に肩を組まれた瞬間に栄純はあられもない声を上げて駆け出した。
「え…え…えええぇ?」
御幸は手を伸ばしたまま固まり、すっ転びそうになりながら駆けてゆく栄純を呆然と眺めた。
振り向き観衆に首を傾げてみせるものの、彼らの反応は同じように微妙なもので、一体今日の栄純はどうしたのかと首をひねるばかりだった。
「御幸先輩」
「あぁ降谷…何だ?」
「沢村追いかけてきます」
御幸は意味がわからないとでも言うようにぽかんとした顔で瞬きをした。
「え?何で?」
その言葉は問い掛けとしては不適切だった。栄純の様子がおかしいのは自明の理であり、心配で追いかけるのは決して不思議がられることではない。
ただ彼は、何故追いかけるのが降谷なのか、と聞きたかったのだ。
降谷は顔だけ振り向いてさも当然のように、ぽつりと、
「心配だから」
それだけ言って駆け出した。
こちらも「自分が原因じゃないか心配だから」という意味だったので、やはり言葉足らずであった。
幸運にも。
御幸を突き飛ばしてしまったこととヘンな声を上げてしまったことが胸の中渦巻き、栄純は結局どちらが問題なのかわからなくなっていた。先輩への失態より自分の醜態の方が恐らくは勝っていると思ったが、果たしてそれで良いのかは謎だ。
部室棟の裏手に来て壁に寄りかかり、ズルズルと座り込む。土はひんやりしていてユニフォーム越しにも心地良い。頬を撫でる風が気温の変化を物語る。部活が終わってからで本当に良かったと栄純は思った。
首筋の赤い痕跡はまだくっきり浮かび上がっているだろう。
ユニフォームの裾をめくりちょっとズボンを下ろすと、腰の際どい辺りに同じような痕が見え栄純はため息をついた。
火照った顔の熱はまだ止まない。風は少し冷たかったが気持ちいい。
――なんで、なんでこんな。
降谷のことは嫌いではないしむしろ好きだけれど、こんな風に一日中降谷に付きまとわれているような状態は本気で御免被りたかった。誰といっしょにいても絶えずこれを気にしているから心此処に在らずで、降谷を見かける度に悪い意味で胸が騒いだ。
「さわむら、」
栄純は腰のキスマークから顔を上げた。
降谷はだいぶ息が上がっているようだった。必死に探し回ったんだろう、いつもなら少々罪悪感を感じるところだが、不思議と心は平静を保っていた。
顔が赤くありませんように、と内心で祈りながら栄純は口を開く。
「降谷、おまえ――」
「何やってるの…?」
信じられない、と呟き降谷は屈んだ。
「え?何…」
「そんなカッコ、他の人に見られたら、襲われるよ」
栄純は何を言われたのか一瞬わからなかったが、視線を落としずり下がったままのズボンと露わになっている赤い痕を見て、慌ててそれを隠すようにズボンを上げた。
ユニフォームもきちんと着直して、きっ、と降谷を睨む。
「誰が!そんなことするバカ、お前だけだっ!」
「そうでもないと思うけど」
「そんなことより!」
栄純はアンダーの襟口を引っ張って降谷に件の痕達を見せた。
「何だよこれ!こんなとこにいくつも…先輩達にバレたらどうすんだ!?」
降谷は目をまるくした。
そして今日の栄純の態度が昨夜の行為の恥ずかしさや痛みではなく、単に目に見えて厄介なものへの心配からきていたのだとようやく理解した。
「あ。……あー」
「コレのせいでっ…俺がどれだけ苦労したか…!」
「ご…ご、めん」
栄純は降谷を睨みつけた。今にも泣きそうな潤んだ瞳に降谷は閉口してしまう。頭の隅をかわいいという素直な思いが横切ったがなるたけ無視した。
こうなると言い返す言葉も見つからない。腰に響く鈍痛に定植された日にはこちらの全面敗北である。
「何考えてんだバカぁ…!」
「う…ごめんなさい…」
「ごめんで済んだら警察いらねえよっ!」
一昔前のヤクザのように啖呵を切った栄純は、羞恥と怒りで可愛らしい顔を真っ赤に染め上げて降谷の胸倉に掴みかかった。片膝をついた降谷がぐらりと揺れ、何とか体勢を立て直す。
今日の怒りをすべてぶつけるべく栄純はすぅっと息を吸い込んだ。
「もう、今日は一日中お前のことばっかり考えてて、散々だったんだからな!!」
「………え?」
「ん?」
降谷は絶交宣言でもされると身構えていたので、拍子抜けした。更に栄純の放った言葉が、何というか…自分達の惚気を叩きつけられたような不思議なものだったので、思いきり首が傾いだ。
栄純は栄純で、微妙におかしなことを言ったような気もしたが、事実は事実。意味を理解していないらしい降谷に更に言い募る。
「だからっ、今日はコレのせいでずっとお前がそばにいるみたいで嫌だったって…」
「そうか」
降谷は呟くと、栄純の両肩に手を置いた。栄純がぱちっと瞬くと、涙が散った。
胸倉を掴まれたままに近づいて、唇を合わせる。
「んんっ…!?んっ…!」
無論じたばたと凄まじい抵抗に合うが、勝手知ったるなんとやら、で、舌を絡ませる頃には栄純はキスに没頭していた。
「ん…はぅ…」
甘い声が漏れる。ああやっぱり可愛いな、と降谷がぼんやり思ってユニフォームの中に手を入れた瞬間、栄純はハッとして彼を突き飛ばした。
「な…な…何すんだ!?こんな時にっ!」
「あ、いや、つい」
「つい、でするなっ!」
でもだいぶ気持ち良さそうだったよ、とは言わない。今は他にすることがある。降谷はすぐさま起き上がって栄純の首元に口を寄せた。ひ、といううめき声を聞きながら強く吸い上げる。
「んあっ!?なに…!?」
「こうすれば」
栄純が降谷を見ると、顔を上げた彼と目があった。
優しいような怖いような、渇望が揺れる切れ長の紫紺の瞳にぞくりと身体が震える。
降谷の口が笑みをかたどった。綺麗なそれが栄純のすぐ眼前で素早く動いた。
「こうすればいつも、僕のことだけ考えてて、くれるんだね」
「!」
次のキスには、逆らえなかった。
必ず其処に、赤い痕を付けるのが降谷の日課になり、
怒りながらもそれを許してしまうのが、栄純の日課になった。
左肩鎖骨付近へと。
終
相互記念に<BLACK CATS>の白石はるか様に捧げさせて頂きます!リクは「降沢」でした。
何と言いますか、特に指定が無かったので暴走しちゃいましたすみませんorz
捧げ物でえろいのはやっぱまずいですよね…!自重します;
もともとは「降谷に付けられたキスマークを顔を赤くしながら必死に隠す栄純とか可愛すぎる」という妄想だったのですが、あんまり生かしきれず…。
どうぞお好きに処分してやって下さい!
相互ありがとうございました!これからもどうぞ宜しくお願いしますv
08/10/22
アップローダーとFFFTPがツンバカさんになってしまったのでこっちにアップ。
明日には直ってるかもしれないのですが悔しいので。
左肩鎖骨付近にて
鏡の前で栄純は愕然とした。
今までもこういうことが無かった訳ではない。ただ、数は一つきりだったし、意識がある内の仕業だったので問題は生じるものの心の準備というものがあった。もの凄く怒れば奴はそれなりに反省もしたし、一つなら絆創膏が大活躍で一件落着であるからして。
しかし今日――いや、日付としては今日だが昨夜に近いかもしれない――に栄純の左肩鎖骨付近に付けられたそれは、点在している。無論一つではない。
「降谷のヤロー…!」
栄純は悔しくて恥ずかしくて唇を噛んだ。
もうすぐ朝練が始まり、そうなれば着替えることだってあるだろう。一つなら絆創膏でカバー出来るがこう沢山付いていては何事かと心配され、勘の良い先輩達にバレてしまうかもしれない。
栄純はユニフォームに袖を通した。アンダーを着ればギリギリで隠れてはいるが、何が起こるかわからない。
アンダーを引っ張ってそっと赤い痕をなぞると、夜のことがぶわりと覆い被さってきて、栄純は悪寒とも熱ともつかない感覚を思い出してしまった。慌てて首を振る。
キスマークが消えるのには数日かかる。栄純は覚悟を決めてきびすを返した。
気にしないようにしながらも、いちいち気にしなくてはならない。即ち、怪しまれるほど気にしてはいけないが、気にしていないと危ない。
当の降谷は睨み付けてもどこ吹く風の上、文句を言いたくても二人きりになれず不可能だ。
「うひゃあっ」
「…大丈夫か?沢村」
クリスに手を取られただけで声が上擦ってしまい心配され、
「ヒャハハ、タメ口禁…」
「はなっ、放して下さいいい!」
「お、おう…?」
倉持に技をかけられそうになり全力プラス涙目になってきょとんとしながら解放され、
遂には、
「やだあっ…!」
御幸に肩を組まれた瞬間に栄純はあられもない声を上げて駆け出した。
「え…え…えええぇ?」
御幸は手を伸ばしたまま固まり、すっ転びそうになりながら駆けてゆく栄純を呆然と眺めた。
振り向き観衆に首を傾げてみせるものの、彼らの反応は同じように微妙なもので、一体今日の栄純はどうしたのかと首をひねるばかりだった。
「御幸先輩」
「あぁ降谷…何だ?」
「沢村追いかけてきます」
御幸は意味がわからないとでも言うようにぽかんとした顔で瞬きをした。
「え?何で?」
その言葉は問い掛けとしては不適切だった。栄純の様子がおかしいのは自明の理であり、心配で追いかけるのは決して不思議がられることではない。
ただ彼は、何故追いかけるのが降谷なのか、と聞きたかったのだ。
降谷は顔だけ振り向いてさも当然のように、ぽつりと、
「心配だから」
それだけ言って駆け出した。
こちらも「自分が原因じゃないか心配だから」という意味だったので、やはり言葉足らずであった。
幸運にも。
御幸を突き飛ばしてしまったこととヘンな声を上げてしまったことが胸の中渦巻き、栄純は結局どちらが問題なのかわからなくなっていた。先輩への失態より自分の醜態の方が恐らくは勝っていると思ったが、果たしてそれで良いのかは謎だ。
部室棟の裏手に来て壁に寄りかかり、ズルズルと座り込む。土はひんやりしていてユニフォーム越しにも心地良い。頬を撫でる風が気温の変化を物語る。部活が終わってからで本当に良かったと栄純は思った。
首筋の赤い痕跡はまだくっきり浮かび上がっているだろう。
ユニフォームの裾をめくりちょっとズボンを下ろすと、腰の際どい辺りに同じような痕が見え栄純はため息をついた。
火照った顔の熱はまだ止まない。風は少し冷たかったが気持ちいい。
――なんで、なんでこんな。
降谷のことは嫌いではないしむしろ好きだけれど、こんな風に一日中降谷に付きまとわれているような状態は本気で御免被りたかった。誰といっしょにいても絶えずこれを気にしているから心此処に在らずで、降谷を見かける度に悪い意味で胸が騒いだ。
「さわむら、」
栄純は腰のキスマークから顔を上げた。
降谷はだいぶ息が上がっているようだった。必死に探し回ったんだろう、いつもなら少々罪悪感を感じるところだが、不思議と心は平静を保っていた。
顔が赤くありませんように、と内心で祈りながら栄純は口を開く。
「降谷、おまえ――」
「何やってるの…?」
信じられない、と呟き降谷は屈んだ。
「え?何…」
「そんなカッコ、他の人に見られたら、襲われるよ」
栄純は何を言われたのか一瞬わからなかったが、視線を落としずり下がったままのズボンと露わになっている赤い痕を見て、慌ててそれを隠すようにズボンを上げた。
ユニフォームもきちんと着直して、きっ、と降谷を睨む。
「誰が!そんなことするバカ、お前だけだっ!」
「そうでもないと思うけど」
「そんなことより!」
栄純はアンダーの襟口を引っ張って降谷に件の痕達を見せた。
「何だよこれ!こんなとこにいくつも…先輩達にバレたらどうすんだ!?」
降谷は目をまるくした。
そして今日の栄純の態度が昨夜の行為の恥ずかしさや痛みではなく、単に目に見えて厄介なものへの心配からきていたのだとようやく理解した。
「あ。……あー」
「コレのせいでっ…俺がどれだけ苦労したか…!」
「ご…ご、めん」
栄純は降谷を睨みつけた。今にも泣きそうな潤んだ瞳に降谷は閉口してしまう。頭の隅をかわいいという素直な思いが横切ったがなるたけ無視した。
こうなると言い返す言葉も見つからない。腰に響く鈍痛に定植された日にはこちらの全面敗北である。
「何考えてんだバカぁ…!」
「う…ごめんなさい…」
「ごめんで済んだら警察いらねえよっ!」
一昔前のヤクザのように啖呵を切った栄純は、羞恥と怒りで可愛らしい顔を真っ赤に染め上げて降谷の胸倉に掴みかかった。片膝をついた降谷がぐらりと揺れ、何とか体勢を立て直す。
今日の怒りをすべてぶつけるべく栄純はすぅっと息を吸い込んだ。
「もう、今日は一日中お前のことばっかり考えてて、散々だったんだからな!!」
「………え?」
「ん?」
降谷は絶交宣言でもされると身構えていたので、拍子抜けした。更に栄純の放った言葉が、何というか…自分達の惚気を叩きつけられたような不思議なものだったので、思いきり首が傾いだ。
栄純は栄純で、微妙におかしなことを言ったような気もしたが、事実は事実。意味を理解していないらしい降谷に更に言い募る。
「だからっ、今日はコレのせいでずっとお前がそばにいるみたいで嫌だったって…」
「そうか」
降谷は呟くと、栄純の両肩に手を置いた。栄純がぱちっと瞬くと、涙が散った。
胸倉を掴まれたままに近づいて、唇を合わせる。
「んんっ…!?んっ…!」
無論じたばたと凄まじい抵抗に合うが、勝手知ったるなんとやら、で、舌を絡ませる頃には栄純はキスに没頭していた。
「ん…はぅ…」
甘い声が漏れる。ああやっぱり可愛いな、と降谷がぼんやり思ってユニフォームの中に手を入れた瞬間、栄純はハッとして彼を突き飛ばした。
「な…な…何すんだ!?こんな時にっ!」
「あ、いや、つい」
「つい、でするなっ!」
でもだいぶ気持ち良さそうだったよ、とは言わない。今は他にすることがある。降谷はすぐさま起き上がって栄純の首元に口を寄せた。ひ、といううめき声を聞きながら強く吸い上げる。
「んあっ!?なに…!?」
「こうすれば」
栄純が降谷を見ると、顔を上げた彼と目があった。
優しいような怖いような、渇望が揺れる切れ長の紫紺の瞳にぞくりと身体が震える。
降谷の口が笑みをかたどった。綺麗なそれが栄純のすぐ眼前で素早く動いた。
「こうすればいつも、僕のことだけ考えてて、くれるんだね」
「!」
次のキスには、逆らえなかった。
必ず其処に、赤い痕を付けるのが降谷の日課になり、
怒りながらもそれを許してしまうのが、栄純の日課になった。
左肩鎖骨付近へと。
終
相互記念に<BLACK CATS>の白石はるか様に捧げさせて頂きます!リクは「降沢」でした。
何と言いますか、特に指定が無かったので暴走しちゃいましたすみませんorz
捧げ物でえろいのはやっぱまずいですよね…!自重します;
もともとは「降谷に付けられたキスマークを顔を赤くしながら必死に隠す栄純とか可愛すぎる」という妄想だったのですが、あんまり生かしきれず…。
どうぞお好きに処分してやって下さい!
相互ありがとうございました!これからもどうぞ宜しくお願いしますv
08/10/22
PR
この記事にコメントする