どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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「もしもの話は好きじゃねえ」
言うと、目の前の猿は唇を歪めた。笑っているようにも悔しそうにも見えるけれど、なんにしろ愛しい気持ちは変わらない。
ああ、やっぱり好きだ。
好きなんだ。
お前が。
「好きじゃないのはお前の勝手だろ」
「そう、俺の勝手だ。お前には関係ねーな」
「~~~っ、むかつく!」
べーっと舌を出したバカは、それからため息をつき、笑った。
晴れた日の太陽みたいな笑顔は輝いている。けれど、どこか晴れやかすぎて悲しい。
「もし、俺が男だったら」
よく透る声がその場に広がった。
「お前は、手加減しないんだろうなあ――」
「……」
バーカ。やっぱりお前は何もわかっちゃいねえよ。
結局お前はお前なんだろ。胸張ってバカやって、いつだって笑ってるくせにどこか弱くて。
俺の好きな、お前なんだろ?
「変わんねえ」
「…え?」
猿はきょとんとして俺を見上げた。
少しだけ、こいつが女であることを思い出した。
「お前が女だろうが男だろうが、お前ならいつも通りバカなんだろ。なら、ぶん殴る」
「…っ、う、わ……ひっどーい犬飼きゅん!女の子にそんなことー」
少し言葉を詰まらせてから、バカ猿は俺の胸を小突いて冗談を口にした。
そして、
「うん、でも…そうだな!」
やっぱり一番こいつに似合う、キラキラの笑顔が俺だけに向けられた。
女でも男でも関係ねーよ。
お前なら、なんだっていい。
終
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ミスフルより、犬飼×猿野。
猿が女の子で男のフリ(でも黙認・周知の事実)で野球をやっているというパロ。いや、でも戦闘ものパロでもいいかもしれない(またか)。
やっぱり犬猿は公認だと思う。
俺のことを嫌いなお前も、存分に愛してやるよ。
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「モミーってさあ」
マウンド上の銀髪褐色肌の投手を見ながら猿野君はつぶやく。
それは、私に?それとも、犬飼君に言っているのですか?
「モミーって、犬のこと、ほんと好きだよなあ」
「……そうですか?」
「うん。だっていつもそばにいるし、気にかけてっし」
「まあ、昔馴染みですから」
「ふうん」
わかったのかわかっていないのか微妙な彼のアンサーは、正直私の心臓にはよくない。
猿野天国という人物は、ときどき本当に何を考えているかわからないのだ。そのふにゃりと笑ったような泣いたような横顔からは何も読み取れないのだ。
猿野君は、犬飼君を見て目を細め。
「うらやましいなあ…」
結局私の方は一度も見ることもなく、つぶやいた。
終
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ミスフルより、辰猿&犬猿?。もはやどっちなんだか。辰→←猿なのか犬←猿←辰なのか。
とりあえず空月は、この猿はたっつんが好きなんだと思いますよ(他人事ー)。
わからないのは、知ったら辛いから。(彼が?自分が?それとも――この少年、が?)
「おかしいだろ」
彼女は言った。僕は、その言葉の意味を一瞬図りかねた。
けれどその手の中のバットを見ていたら、なんとなく、わかった。
彼女がバットを振るうこと。
彼女が土まみれで駆け回ること。
彼女が、“男でいる”、こと。
「おかしく、ないっすよ」
「おかしいって」
否定は非難じみた否定で返された。
僕はてっきり否定してほしかったのかと思っていたから内心驚いた。
確かにはじめは不純な動機だったかもしれない。でも、今彼女は確かに、自分のために野球をやっているんだ。
そのためにどれだけ努力してきたかを、一番近くで見ている僕は、知っている。
「おかしくないっす!猿野――くんが、今、頑張っているのはみんな知ってますから!」
「はは、何ムキになってんだよ」
彼女は普段通りくくっと、およそ女の子らしくなく笑って。
振りかえった。
「おかしいんだ。知ってるよ、それくらい」
「…ッ、さるの、くん――」
「おかしいって」
彼女は微笑んでいた。けれど瞳にはとても悲しい色が浮かんでいて。
「おかしいって、言って」
思わず引き寄せ抱きしめた身体の細さに、嬉しいような悲しいような気持ちが溢れ出して、僕は泣いていた。
彼女はそっと僕の頭を撫でて、
「ごめんな。でも、ありがとう。ネズッチュー」
そう、つぶやいた。
終
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ミスフルより、子津×猿野。
猿が女の子で男のフリ(でも黙認・周知の事実)で野球をやっているというパロ。子猿すきーv
でもこの猿もきっとはじめは凪さんのためなんだ。きっと…。
たまには自分を否定してほしい、なんて。弱くありたい、なんて。