どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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(その人は長い指でくるくるまわしていたスプーンを取り落とした。)
かつり。
(そんな音がして、木の床にスプーンが跳ねる。)
「おま」
「あったかい、ですか?」
(そいつは大きなまるい瞳をますますまるくして、俺を見つめた。)
(へーえ。)
(そんな風に心の中で口角を上げながら、俺はヤツに近づく。)
「はるなさ?」
「ふーん。ほーう?」
榛名は飲みかけのアイスティーをこれでもかと口に含んだ。頬が膨れて二枚目が不格好になる。
三橋はそれを見て笑うというよりきょとんとして口をぼんやり開けていた。
三橋のシャツの襟を引っ張って、無理やり立たせて口づける。
「ふおっ!?」
榛名の口から三橋の口からアイスティーの茶色が流れて、こぼれて、落ちる。
ぽたぽた、ぽたた。木の床に染み。
ぴちゃ、びちゃ、くちゃり。ふたりの口が水音を立てて。
「あったかい、かよっ?」
「ふあ、あ、んぅっ」
「あったかいん、だよなあ?」
「……は、」
甘さと香ばしさが、脳髄を犯すのだ。
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お題もと
氷雨 http://homepage2.nifty.com/icerain/
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