どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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三橋女体化よりタジミハイズ。をちょっとだけ抜粋。
泉君と三橋が幼馴染です。時期は西浦入学数週間後です。
完全にパラレルでもいいって方はどうぞー。
今回の本は、いかに普段と名前の呼び方を変えるかに焦点が置かれています。空月の駄目さ加減が伝わってきますね!
「ご、ごめんなさ、い…遅れて、そ、の」
「別にいいけど。田島と何話してたんだよ、廉」
そうかこの子は「れん」という名前なのか、と田島は思って内心小さくガッツポーズをし、コンマ数秒後に変に思った。
なぜ泉は彼女の名前を知っているんだろう?それから、どうして怒ってるんだ?
痛みがすぐ納まった代わりに疑問がむくむく膨れ上がる。
「れん」と呼ばれた女子は泉に胸の包みを突き出した。誰が見てもそれは弁当だった。周りで三人の様子を見ていた面々が、ヒューとかあらあらお熱いことで、とか何とか言うのを、泉の睨みが黙らせる。
「あ、あんまり、うまく作れ、なく、て…」
語尾がだんだん脱落していく。本当に自信がないようだった。
「別に、気にしねーからさ」
泉が弁当を受け取りながら笑う。そばかすが目立って、場所を変えたみたいに見えた。
田島は純粋に驚いて目を見開いた。泉がこんな風に優しく笑うのを見るのは初めてかもしれない。入学してから数週間しか経っていないけれど、野球部は春休みから部活があったし、これでも同じ部活なのだから一緒に過ごす時間は多いというのに、ここまで優しげな、慈しむような笑みは初めてだった。
「いずみー。その子、誰?」
「ああ、七組の…幼馴染」
その形容を一瞬迷ったらしいのが伝わってきた。幼馴染って言うのが嫌なんだろうか。
でも当の彼女は、その言葉を聞いた瞬間ほっとしたような、落ち着いたような表情になる。不思議だなあ、と田島は思ったが、口には出さない。
女子はぺこりと頭を下げた。
「七、組の、三橋廉、で、すっ」
田島は立ち上がり、にっかり笑った。
「俺、九組の田島悠一郎!よろしくー!」
三橋はその笑顔と明るい挨拶にちょっと驚いたようだったが、すぐに笑顔になった。不器用だけれど、頑張っていることが伝わってくるとてもかわいらしい笑顔だ。
二人に挟まって泉はため息をつく。
「廉さ、お前こそ弁当いいのか?」
「あ…わた、し、売店…」
「もう売り切れちゃってるよ!俺行ってきたけど」
「…!」
三橋は田島の言葉にだいぶがっくりきたようで、目を大きく見開くと肩を落とし、今にも泣きそうになった。
泉がやっぱり、とため息をつき、弁当を差し出す。
「作って来てもらってアレだけど、お前が食べろ」
「ぇ…で、も」
「部活まで持たないぞ?俺は貰うとかすれば何とでもなるから」
田島は泉を見、三橋を見、それから自分の手の中のものを差し出した。
「ほら、コレ!俺のだけど、いっぱいあっから一つやるよ!」
三橋の目が輝いたのと、泉の目が座ったのが同時でちょっと田島は驚いた。けれど、三橋が貰ってもいいのかとそわそわしているので、無理矢理手の中にパンを押しつける。
「やる!オチカヅキ、のしるしだっ」
「うおっ!おちか、づき…!」
ここまでー。
続きは本でどうぞ。イベントなら本当に立ち読みもできるので^^
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