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どうしようもないネタメモブログ。 ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。 原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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栄純3年の夏


「監督」
もう子どもではない。そんな主張を背に纏った子どもは、小さな、けれどしっかりした声で言った。
小さかったのは片岡にだけ聞いてほしかったからだろうが、そんなことをしても無駄に思えた。この子どもは最早片岡だけの子どもではなく、球界全体の宝に成りつつあるのだから。
それでも今日のこの試合までは青道の一選手である栄純は、何も言わずに言葉を待つ片岡に、くすっと笑ったようだった。
「監督。好きでした」
のびやかな声。すっかり変わってしまった声。けれど何も変わらない、変わりようのない声…。
今日が最後の甲子園だから、か?
「何故今、そんなことを言うんだ」
振り返って見た監督の顔は普段通り。けれど少し情けなく見えた。
栄純はとてもとても彼が愛しくなって、笑った。
「だって」
――ピッチャー交代、背番号1、沢村栄純君。
「この試合、俺のことだけ見てくれるって思ったから」
静かな声を叱咤しようと口を開き、閉じ――また開いた片岡はいつも通り、行ってこい沢村、と呟いた。


遅すぎた告白
グラ沢
(そんなことを言わなくてもずっとお前だけだったさ)



お題は「てぃんがぁら」様(Link頁より)
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