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どうしようもないネタメモブログ。 ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。 原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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江戸パロ番外編
亮介:14歳
栄純と春市:7歳




文机に筆を置いて亮介は縁側へ目をやった.
縁側の木板に両手を付いて体を浮かせた栄純は,大きな黒い瞳で亮介を見ている.
「はなび,ですか?」
「そう」
笑って頷く.
すると栄純もにこっと顔をほころばせた.
「俺は花火みたいなものだから」
「キレイっすね!」
同じ言葉を繰り返すと,栄純はまた笑う.
そうだねと軽く頷き手招く.栄純はぱあっと顔を輝かせると草履を脱ぎ散らし,縁側に上がった.
書き物途中の亮介に飛びつく.頭を撫でられて嬉しそうに笑う栄純は,気付いていない.
「俺は花火みたいにあっという間に死んじゃうからね」
栄純が顔を上げた.驚愕に溢れた顔がすぐさま悲嘆に暮れ,涙が頬を伝った.
小さな小さな手が,必死に亮介の袂を掴む.
「やだ…いやです,亮介さ…」
「……」
「やだっ…やだあっ…!」
ぼろぼろ涙を零して栄純は泣き続けた.




みーんみーんみーん…
蝉が鳴く.
暑い夏は,死の季節だ.
泣き疲れて寝息を立てる栄純の頭を撫でていると,音もなく彼らに影が落ちる.
「栄純くんに変なこと言わないでくれる」
亮介は笑顔のまま,く,と笑った.
「春市」
名前を呼ばれた春市は眉間に皺を寄せ兄を見,悲しそうに栄純を見た.
「事実だよ」
彼の形の良い唇が動いて,春市は目を閉じた.


花火は堕ちる為にあるのさ.






亮介さんは栄純が妖力を無くしかけた時に妖力を与える役目.でもあげ続けると死んでしまう.
春市は亮介さんが死んだ時の代わり.という設定.
でもこれは亮介さん五歳位上のイメージなのでパロの更にパラレル,みたいな….
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