どうしようもないネタメモブログ。
ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。
原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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「わかんないな~」
「でしょうね」
「ん~?てんごく“君”たら、冷たいなあ」
へらへらと笑う彼に猿野天国は薄く笑みを返す。普段馬鹿騒ぎをしているときのようなものではなく、冷たささえ感じられるほど。
どちらが本当の猿野なのかといえば、おそらくどちらもなのだろう。人の在り方を一面だけから捉えようなどとは無茶な話である。
鳥居剣菱は屋上で空を見上げる猿野から数歩離れて、どことなく儚く見える彼女を眺めていた。
「女が男になってまでなんて、ねえ~」
はっきり告げてやる。嫌な顔の一つでもされるかと思ったがそんなこともなく。ただ、そうですねと返される。
「わからないよ~。どうしてそこまでして野球がやりたいのか~。君も、凪も~」
「凪さんに教えてもらわなかったんですか?」
「そうだねえ。なんでだろ~」
「そりゃあ、剣菱さんが“教えてない”からですよ」
すんなりと言われた言葉は確かに的を得ている。剣菱は人を食ったような笑みで、そうだねと返した。
猿野はちょっと苦笑して、それでも優しい顔をのぞかせた。
「じゃ、いつか教えてあげます」
「うん。いつか~」
「じゃあ……じゃあ、元気でいて下さいよ?」
とたんに気弱な面を見え隠れさせるのはきっとわざとではないのだろうけれど、ちょっと卑怯だと思う。
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ミスフルより、剣菱×猿野。
猿が女の子なのに男のふりして野球やっているパロ。
まだまだ、野球をする君を見ていたいから。遠くからでも。
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