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どうしようもないネタメモブログ。 ツッコミ可。空月のツッコミ返し有。 原稿とかで忙しい時はこっちで更新してます。
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十年後


竹寿司の二階には息子の武の部屋がある。
そこからは並盛の町がよく見渡せた。
窓を開け放しているせいか、風鈴の音がうるさい程に響いている。
山本は窓枠に腰掛けて、じっと手紙を見つめていた。
とっくの昔に読み終わった手紙を何度も何度も読み返し、もう手紙はくたくたによれてしまっている。
読み終えて最初に戻り、また。
『山本へ――』
窓を開けているせいで、夏風が髪に吹き付け風鈴をかき鳴らし、手紙まで読みにくい。
それでも山本は目を細め、途切れず届く律儀な便りを幾度も読み返す。
「ツナ」
大切な人の名を呼んで、また最初へ。
彼の名をかたどる空気すら、彼が自分の中に存在しているのだと教えてくれる。
そう感じ、信じて。



竹寿司の二階には息子の武の部屋がある。
そこからは並盛の町がよく見渡せた。
ただ、海だけはどこにもない。


異国より愛と哀を込めて
山ツナ
(元気?俺は元気じゃありません。なぜって君がいないから!)



お題は「てぃんがぁら」様(Link頁より)
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